昨年、タイトル通算100期をかけて、第31期竜王戦で広瀬章人八段と激闘を繰り広げた羽生善治竜王は、最終7局目に敗れて、3勝4敗となり27年ぶりの無冠となった。
(引用元)【竜王戦】羽生善治竜王「27年ぶり無冠」の衝撃 広瀬章人八段に敗れ、竜王位を失冠|ニフティニュース
タイトルを失ったあとの呼称について、日本将棋連盟より「前竜王」を名乗るか問われた羽生さんは、前竜王を辞退して、九段を名乗っている。
今、将棋連盟の現役棋士のなかで、羽生さんと同じ九段を名乗っている、または九段の資格をもっている棋士が総勢、28名おられる。
(画像の引用元)現役棋士一覧|棋士データベース|日本将棋連盟
失礼を承知で申し上げると、羽生さんとおなじ九段でも実力にはバラツキがあるのではないでしょうか?また、将棋を普及させる/させたという功労側としてみても、これら28名のなかで皆さん、どれだけの方をご存知でしょうか?
将棋をたしなんでいる方ならいざ知らず、それ以外の方でしたら、「羽生さんしか知らないな~」というのが実情ではないでしょうか。
実力の面でみても、普及・功労の面でみても、羽生さんが頭一つ以上、抜きんでていると思うのです。
であれば、羽生さんが九段というのはおかしくないですか?
十段以上の段位を与えてもいいんじゃないでしょうか?と思うのです。
そこで、もし、羽生さんに十段以上の段位を与えるなら、何段がいいのか?勝手に妄想してみたというのがこの記事の主旨です。
十段以降の段位について勝手に妄想してみた
十段以上の段位を創ったとして、今の九段のように十段がゴロゴロと生まれてしまうのは困ります(何様💦)。
そこで、基準はなるべく厳しくしたうえで、該当する棋士がいるのかどうか?歴代の棋士も含めて当てはめてみました。
通算1300勝で十段
まず十段は、通算1300勝でどうでしょう。
この記録にあてはまっている現役棋士は2名。
羽生善治九段と、
(引用元)羽生善治|棋士データベース|日本将棋連盟
映画「聖の青春」でモデルとなった、村山聖九段が憧れていた、谷川浩二九段(十七世名人)
(画像の引用元)谷川浩司|棋士データベース|日本将棋連盟
歴代棋士をみてみると、あと3名。
亡くなる間際まで、A級棋士として将棋界に君臨し大記録を達成した、大山康晴十五世名人
(引用元)将棋 大山康晴vs阿部隆 解説・原田泰夫① - YouTube
女流棋士 林葉直子さんとの不倫で取りざたされた、中原誠十六世名人
(引用元)中原誠|棋士データベース|日本将棋連盟
そして、みなさんおなじみの、ひふみんこと、加藤一二三九段。
長い将棋の歴史をみても、この5名しかいらっしゃいません。
実力、将棋の普及・功労という意味でみても、十段をあげてもいいんじゃないでしょうか。
名人に香車を落として勝つと、十一段
次は、名人以上の実力を持っていることを証明した棋士です。
それは、升田幸三九段(実力制第四代名人)。
(引用元)升田幸三|棋士データベース|日本将棋連盟
将棋の寿命を300年縮めたといわれる、大山康晴十五世名人と並んで、昭和を代表する棋士のお一人です。
1955年に行われた、王将戦第4局。
(引用元)【将棋】名人に香車落ちで勝つ 1955年度升田幸三vs大山康晴王将戦第4局を解説
大山康晴名人・王将に挑戦した、升田幸三九段は、開幕3連勝で大山王将をカド番に追い込みました。
当時の王将戦のルールでは、どちらかが3勝差をつけた時点で、香落ちで闘うことになっておりました。
そこで、大山名人を相手に、升田幸三九段は香車が1つないハンデをつけて指し、結果、大山名人に勝利しました。
名人よりも強い棋士、名人にハンデをつけて勝つ棋士ならば、名人以上の段位がふさわしいでしょうということで、十一段が妥当だと思うのです。
また、この段位は、江戸時代の棋聖、天野宗歩七段(当時名人位は世襲制であり名人の家元でなければ、八段になれなかった)の実力相当といわれた段位でもあります。
升田幸三 > 天野君には十一段の力がある。
タイトル通算50期で十二段
一時の強さではなく、長年にわたって安定した実力を発揮した証。
タイトル通算50期で、十二段。
この条件に当てはまっている方は、3名。
羽生さん(99期)、大山さん(80期)、中原さん(64期)です。
永世七冠達成で十三段
タイトル別に規定の回数、獲得または防衛すると貰える永世の称号。
叡王位ができる前、タイトルが七つあった時点でそれらすべてを達成していたのは、羽生さんただ一人。
【羽生さんのタイトル獲得数】
- 名人⇒★★★★★★★★★(9期)
- 竜王⇒★★★★★★★(7期)
- 棋聖⇒★★★★★★★★★★★★★★★★(16期)
- 王位⇒★★★★★★★★★★★★★★★★★★(18期)
- 王座⇒★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★(24期)
- 王将⇒★★★★★★★★★★★★(12期)
- 棋王⇒★★★★★★★★★★★★★(13期)
十二段の3名のなかでも、抜きんでているとして、十三段でもいいのではないでしょうか。
タイトル通算100期で十四段、永世八冠達成で十五段
ここから先は前人未踏の領域です。
タイトル通算100期で、十四段。
羽生さんは、タイトルをあと1つとれば達成です(*^_^*)
2017年より新たに創設された、タイトル「叡王」
現在、叡王の永世を獲得する条件は示されていません。
もし仮に、羽生さんがこの叡王の永世称号もえて、永世八冠となったあかつきにには、十五段でいいんじゃないでしょうか。
最後に
十段以上の段位について、お遊びで 考えてみました。
かつて、24歳でA級八段になった、天才棋士の1人、(故)芹沢博文九段はこう述べています。
「自分と升田さんが同じ九段なのはおかしい」と。
(引用元)芹沢博文|棋士データベース|日本将棋連盟
芹沢さんがお亡くなりになって、32年。
そろそろ、十段以降の段位を検討してもいいのではないでしょうか。
おわり
今日もありがとうございましたm(_"_)m
それでは、また。
でつノ