数年前、奇跡の万能油としてブームになった、ココナッツオイル。
毎日、ココナッツオイルを飲んでいた方、または、今でも飲んでいる方がいらっしゃるんじゃないでしょうか?
数年前はさんざんもてはやされた、ココナッツオイルですが、今ではむしろ身体に悪いという説が主流のようです。
なんじゃそりゃー!
ここでも、かつての常識は非常識だったってことなんでしょうか?
ココナッツオイルは飲んだことがない自分ですが、2つの真逆の説があることに興味がわきました(*^_^*)
本当のところ、ココナッツオイルは身体にいいのか?悪いのか?
身体にいいと主張する側、身体に悪いと主張する側、お互いの根拠をもとに整理したうえで、自分なりの結論を導いてみました。
ココナッツオイルが良しとされる効果とその根拠
ココナッツオイルは、飲むことで、
- ダイエット効果
- 心臓病予防
- アルツハイマー認知症
- パーキンソン病
- 自閉症
- うつ病
に効果が期待できるといわれています。
中鎖脂肪酸がもたらしてくれるメリット
これら素晴らしい効果をもたらしてくれるのは、すべて中鎖脂肪酸のおかげ。
このココナッツオイルの60%を占めるといわれている、中鎖脂肪酸は、
体内の脂肪が分解されやすい
このおかげで、身体のなかに、
- 中性脂肪
- 悪玉コレステロール
といった肥満、冠動脈疾患といった原因となる脂肪がたまりにくくことから、ダイエットや心臓病予防に効果ありといわれています。
脳のエネルギー、ケトン体がつくられる
脳が必要とするエネルギーは、
- ブドウ糖
- ケトン体
といわれています。
このうち、ケトン体をつくり出す能力が優れています。
ケトン体の生成能力が高いことから、
脳のエネルギー不足によって引き起こされる、
- アルツハイマー型認知症
- パーキンソン病
- 自閉症
等に効果が期待できるといわれています。
ケトン体が脳内炎症を解消してくれる
鳥取大の研究結果によると、BHB(βヒドロキシ酪酸)という物質が、うつ病を改善する効果を確認したと報じられています。
この聞きなれない、BHB(βヒドロキシ酪酸)というものは、ケトン体の一種です。
そして、短鎖脂肪酸である酪酸菌の仲間でもあります。
中鎖脂肪酸が生み出してくれる、ケトン体の副次的な効果によって、うつ病の改善が期待できるということなんですね。
うつ病の原因として、
- 脳内のモノアミン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)が不足することが原因だとする、モノアミン仮説
- 脳内炎症サイトカインが原因だとする、神経可塑性仮説
の2つが有力視されています。
このうち、βヒドロキシ酪酸は脳内炎症を抑えてくれる効果があるということです。
以上ここまでみてきたように、体内に取り入れることで期待される効能の数々は、すべて中鎖脂肪酸のおかげだということがわかりました。
ココナッツオイルは純粋な毒!とする側の根拠
次に、「ココナッツオイルは純粋な毒だ」と主張している方の根拠をみていきます。
ココナッツオイルの悪を主張している方は、
ドイツ、フライブルク大学の腫瘍疫学研究所のディレクターにして、ハーバード公衆衛生大学院の教授である、カリン・ミッシェル氏が講演で主張されています。
講演のなかで、教授はこう述べられました。
「ココナッツオイルは、あなたが食べる食品のなかで、最悪の食べ物の1つ」
であると。
身体に良いとされる論説の真逆をいく主張、面白いや~ん(*^_^*)
主張しているポイントは、
- ココナッツオイルの健康効果、誇大宣伝を裏付ける研究データはほとんど存在しない
- ココナッツオイルの82%は飽和脂肪酸でできている
- バター(63%)、牛肉(50%)、豚肉(39%)よりもはるかに多い割合だ
- 飽和脂肪酸をとりすぎると、悪玉コレステロールが増える
- 飽和脂肪酸の1日あたりの摂取量は13gが目安だが、ココナッツオイル大さじ1杯で11gと多量に含まれている。
- 悪玉コレステロールが過剰にあると、動脈にプラークという塊ができて、動脈硬化、心臓疾患リスクが高まる
- アメリカ心臓協会(AHA)は、ココナッツオイルを避けるべき食品にリストアップしている
ということ。
飽和脂肪が身体に悪いことは実体験済!
自分は、生クリーム、ポテトチップス等に含まれている、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸、ショートニング)が多く含まれている食品をとりすぎると、微妙に胸がいたくなります(;^ω^)💦
それは、心臓なのか喘息なのか?どちらが痛くなっていたのかはわかりませんが、身体によくないことだけは体感している事実です!
ここまでの個人的な感想としては、身体にとって毒だということの方が納得できます。
<2019年1月25日訂正>
nutritionalerさんよりご指摘頂きました。
トランス脂肪酸、ショートニングは、飽和脂肪酸ではなく、不飽和脂肪酸でした。
生クリームやポテチを食べ過ぎた場合に感じていた胸痛は、トランス脂肪酸やショートニングではない、別の飽和脂肪酸が原因だったと思われます。
ご指摘ありがとうございましたm(_"_)m
ココナッツオイルの成分についてみていく
ココナッツオイルは、身体にいいのか?悪いのか?
それは、
- ココナッツオイルが身体にいいと主張している側⇒ 中鎖脂肪酸
- ココナッツオイルは身体に毒⇒ 飽和脂肪酸
の2つがポイントでした。
中鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸に分類されている脂肪酸のひとつですが、
問題は、ココナッツオイルに含まれている中鎖脂肪酸の含有量がキーになってきそうです。
この中鎖脂肪酸の含有量が非常に高く、心臓疾患の恐れのある脂肪酸がわずかならば、身体にいい。反対に、少量しか含まれていないと、身体に悪いという、短絡的な見方でみていこうと思います。
ココナッツオイルの成分毎の含有量はこちら
ウィキペディアによると、脂肪酸組成は次のようになっていました。
ミッシェル教授は、82%が飽和脂肪酸だと述べていましたが、それ以上でした。
この表・グラフを一見すると、体に悪い油やん!
という印象しか持てません(;^ω^)💦
問題は、この飽和脂肪酸の内訳!
えーっと、中鎖脂肪酸ないんだけど...。
このうちのどれかが中鎖脂肪酸なのね。
調べてみると、
- カプロン酸(発酵バター等)
- カプリル酸(コーヒークリーム等)
- カプリン酸(有塩バター等)
- ラウリン酸(ココナッツオイル等)
の4つが、中鎖脂肪酸のようです。
最後にまとめると、
- ココナッツオイルのうち、58%は身体にいい中鎖脂肪酸が含まれている
- 身体に悪い、飽和脂肪酸は28%存在している
- 身体にいいとされる不飽和とのバランスでみると、良い7:悪い3の油
ということがわかりました。
自分なりの結論⇒その人の食生活による!
ここまで、メリットとデメリットをみてきました。
ココナッツオイルが身体にいいのか?それとも悪いのか、自分なりの結論をいうと、
よくわからん!
- 中鎖脂肪酸はそれなりに含まれているが、 それ以外の飽和脂肪酸の毒要素(デメリット)を打ち消すだけの作用があるのかどうかが不明。
- 中鎖脂肪酸がよいとされているサイトは、すべて中鎖脂肪酸の成分のみを抽出、与えた場合の研究結果であり、ココナッツオイルとして与えた場合の功罪は未知数である。
という2点が、曖昧な結論にいたった理由。
ココナッツオイルをとった方がいい人/悪い人
そうはいっても、今のままだと不完全燃焼なので、多少強引にでも結論にもっていきます。
ココナッツオイルが身体にいいのかわるいのか?は、
その人の食生活による
というのを結論とします。
◆ココナッツオイルをとらなくていい人
日常、バター、コーヒーフレッシュ、肉等で飽和脂肪酸をよくとっている方は、あえてとる必要はないと思います。
いつもの食生活のなかで、中鎖脂肪酸がふくまれています。
たとえ身体にいいものであっても、過ぎたるはなお及ばざるがごとしです。
過量に摂取して、心臓等の疾患がおきる危険性を予防しましょう。
◆ココナッツオイルをとった方がいい人
適量の飽和脂肪酸は身体にいいとも言われています。
そのため、日常、まったくといっていい程、脂肪酸を摂取していない人は、1日大さじ1杯のココナッツオイルを摂取することで、1日分の必要量を取り入れてもいいのかもしれません。
中鎖脂肪酸の健康効果を得たいなら、MCTオイルを試すのもあり
そうはいっても!
飽和脂肪酸はとりたくないけど、中鎖脂肪酸の健康効果はほしいという欲張りさんもいると思います。
冒頭で述べたように、ココナッツオイルの健康効果のほとんどは、中鎖脂肪酸によるものでした。
そのため、ココナッツオイルで得られる健康効果を得たい場合は、中鎖脂肪酸のみを抽出したオイル、MCTオイルを試すというのが、不安要素なく一番手っ取り早いんじゃないでしょうか。
アマゾン評価は高く(88件のレビューで4.4)、お値段はお手頃。
そして、認知症が改善したという、中鎖脂肪酸のメリットを裏付けるレビューがされていました。
自分としては、今まで通りオリーブオイル&アマニ油の併用でいくつもり
ここまで長々と述べてきましたが、自分としては、
ココナッツオイル、MCTオイル共に利用するつもりは今のところありません。
現状、
- うつ病はよくなってる(薬もなにも飲んでいない)
- 心臓疾患と思われた胸痛だったが、心臓は無実だった
- ダイエットどころか体重&筋肉を増やしたい
- 体内年齢は実年齢より、10歳以上若い
- 血液検査の結果は、すべて正常
- オリーブオイル(オレイン酸)、アマニ油(リノリン酸)で不満を感じていない
- 飽和脂肪酸は取りたくなくても、食生活で否応なしに摂取できる
ため、新たなオイルに手をだす必要性を感じていないのです。
また、中鎖脂肪酸は、ココナッツオイルや、MCTオイルに頼らなくても、牛乳にも含まれているので、毎朝のんでいるドリンクで多少は摂取できています。
まとめ
ココナッツオイルの功罪について、両方の側面からみてきました。
大事なことは、メディア報道にまどわされず、鵜呑みにせず、そういわれている根拠、正しい知識をもったうえで自分なりに使う/使わないといった判断をくだすということが、今、情報が氾濫している現代において、わたしたち一人一人に求められていることだろうと思います。
それが、かつて、インドの地でお釈迦様が説いた、自分の道は自分で照らす、自灯明ということだろうと思うのです。
(出典)心の世界って何だろう!
おわり
今日もありがとうございました。
それでは、また
でつノ