いつ何時、事故や、災害にあうかわかりません。
普段、事故や災害に備えて準備していても、いざという時には、うろたえてしまうのが私たち一人一人でしょう。
外出先で、万が一、自分が危篤状態に陥ったときは、周りの方々に助けていただく必要があります。
その際に、
①ご自分の持病やアレルギー情報
②服薬中の薬
③緊急連絡先
④かかりつけ病院
⑤臓器提供の意思表明
これらの情報はどうやって、表明したらいいのでしょうか?
喋るのが問題ないときは、口頭で伝えることができますが、息苦しく喋るのも困難なときはどうしたらいいのでしょうか?
また、すぐ隣にいる人が急に倒れたとき、その方の治療や処置をスムーズにするための必要な情報はどうやって知ることができるのでしょうか?そして、必要な情報がわからず、調べている間に、取り返しのつかないことになってしまったら...。
いつ遭遇するかわからない不測の事態になったときに備えた、【緊急SOS】機能がiPhone(iOS11以降)に搭載されています。
この記事では、緊急SOSの設定方法、使い方。
そして、実際に、緊急SOSをつかって救急搬送された体験を踏まえて、こうした機能があったらいいなを紹介いたします。
緊急SOS機能とは?
もしものときに
①警察(110)
②海上保安庁(118)
③火事、救急車、救助(119)
に電話をかけることができる機能です。
警察(110)、救急(119)はしっかりと覚えていても、海上保安庁の番号はとっさにいわれると、出てこないですよね(;^ω^)💦
▶現在位置情報、経過時間が通知される
この機能をつかって電話をかけることで、位置情報サービスの有効/無効にかかわらず、現在位置情報が通知される仕組みとなっています。
<緊急SOSとプライバシー>
また、自動で通知される情報は、現在位置情報の他に、緊急SOSモードにはいってからの経過時間が通知される仕組みとなっています。
<通知される情報>
①現在位置情報
②緊急SOSモードにはいってからの経過時間
この自動で伝えてくれる機能は、ありがたいな!
以前、父が倒れたときに、救急に連絡したことがありましたが、「今いる場所」を伝えるのに手間取ったんですよね。
▶持病等の個人情報、緊急連絡先を追加で設定することが可能
また、
①自分の家族等、もしもの時の緊急連絡先
②持病、服薬中の薬、アレルギー等の個人情報
③臓器提供の意思表明
を設定することができます。
救急の際の必要な情報を設定しておくことで、
・緊急連絡先にも自動で連絡(位置情報、経過時間)がいく(テキストメッセージ)
・救急にかかった場合に、医療関係者に必要な情報をスムーズに伝えることができる
ことができます。
▶緊急時の位置情報の共有は「停止」をタップするまで継続される
緊急連絡先への位置情報の共有は、停止をタップするまで継続されます。
どういうことかというと、現在地がかわるたびに、新しい位置情報が送信されるということです。
僕の場合は、自宅に帰ることができたタイミングで共有を停止しました。
無事にかえれたことの報告にもなるしね(*^_^*)
緊急SOS機能をつかう際は?
緊急SOS機能を使う際は、iphone7以前と、iphone8以降で方法が異なります。
▶iphone7以前
サイドボタンを素早く5回連打する
↓
「緊急SOS」と「メディカルID」スライダが表示される(*1)
↓
「緊急SOS」をスワイプする
↓
緊急連絡先をタップする
これで選択した緊急連絡先に電話をかけることが可能となります。
(*1)後述する「自動通報機能」をオンにしておくと、「ピーピー」という警報音とともに、カウントダウンがはじまります。
昨年、この5回連打したのち、意識を失った方が気がついたら、病院のベッドの上だったという事例もありますので、自動通報オンの方がいいのかも知れません。
【関連記事】
iOS11の新機能「緊急SOS」で命拾いしたiPhoneユーザーが話題に 「その機能知らなかった」「自分も設定する」 - ねとらぼ
▶iphone8以降
サイドボタンと、音量調整ボタン(上下のいずれか)を長押しする。
以下は、iPhone7と同様のため、割愛します。
☆緊急電話のかけ方を変更する☆
iPhone8以降でも、サイドボタンを5回連打することで「緊急SOSモード」にすることが可能です。
その方法は、下記。
- iPhone で設定 App を開きます。
- 「緊急 SOS」をタップします。
- 「サイドボタンで通話」をオンまたはオフにします。この設定がオンの場合も、サイドボタンといずれかの音量調節ボタンを長押しして緊急電話をかけることができます。
【メディカルID】持病等の個人情報、緊急連絡先の追加設定について
続いて、持病、服薬等の個人情報、家族等の緊急連絡先の設定方法について、図解で示していきます。
[設定]アプリをタップする
「緊急SOS」をタップする
「”ヘルスケア”で緊急連絡先を設定」をタップする(*2)
「メディカルIDを作成」をタップする
メディカルID画面より、必要事項を入力する
【入力できる項目】
・臓器提供の意思
・病気/けがについて
・医療メモ
・アレルギーと反応
・使用中の薬
・血液型
・体重
・身長
・緊急連絡先
(*2)”ヘルスケア情報”の設定以降は、「~を編集」にかわりますので、適宜必要に応じて編集することが可能です。
実際に使った体験を踏まえて、気になる点あれこれ
持病で異形狭心症の疑いがあり、常に頓服(ニトロペン舌下錠)を持ち歩いています。先日、自宅で安静にしていた時に、突如、胸を締め付けられる苦しみに襲われました。また、いつもの頓服が効かず、息苦しさが持続したため、この緊急SOS機能をつかって救急搬送されています。
実際に緊急SOS機能のお世話になった自分が、気になった点、こうした機能が欲しいなといったところを書いていきます。
【疑問点①】SOSモードに入ってからの経過時間って本当に送信されてるの?
アップルのサポートサイトによると、
緊急連絡先には、iPhone の現在地、SOS モードに入ってからの経過時間などが送信され、現在地が変わったらそのつど最新情報が届きます。
とありますが、本当に送信されてるのでしょうか?
▶自分のiPhoneから送っている情報
緊急SOSをつかうことで、メディカルIDの緊急連絡先として設定しておいた相手に対して、自動で次の情報が送られています。
<送っている情報>
・緊急SOSを使って緊急通報を行った旨
・位置情報
救急搬送されて、現在位置がかわった場合は、新しい場所も自動で送られています。
▶緊急連絡先が受け取った情報
緊急SOSが使われたこと、緊急SOSを使った位置情報を受信しています。
あれ、経過時間ってどこにあるの?
現在時刻が表示されているので、経過時間は不要でしょ?ってことなんでしょうか?
でも、なにはともあれ、
①自分の身が大変な事態になったこと
②どこの病院に搬送されたのか?
といった情報が自動で通知されたのは、ありがたいことです。
【改善点①】5回連打、反応しないときがある!
この緊急SOS機能をつかうための、サイドボタンの5回連打。
反応しませんでした(´;ω;`)ウゥゥ
息苦しく、半ばパニック状態で連打していたため、5回連打ができていなかったのかも知れません。または、5回連打のスピードが速すぎた可能性も考えられます。
再度、リトライすることで、緊急SOSモードに移行することができましたが、苦しいときのリトライはなかなか辛いものがあります。
アップルさん、反応精度を上げてもらうか、もっとよい方法に変更いただけないでしょうか?
【改善点②】現在位置情報の自動送信では、号室までは伝わらない!
救急に電話した際に、
・住所
・名前
・生年月日
・年齢
・病人との関係
を聞かれています。
その時は、
自動で位置情報が伝わってるんじゃないのかよ、早く来てくれよ!
と半ギレになりながらも、聞かれたことに対して答えていました。
症状が落ち着いて、冷静になって考えると、今のGPS(位置情報)では誤差があるので正しい情報がつたわっていない可能性があります。
また、マンション、アパート等の集合住宅だった場合、号室まではわからないため、必要な情報を聞かれたんだと思います。
また、細かい住所まで伝え終わると、救急受付の方より、「すでにこっちへ向かっている」旨を伝えてもらえましたので、自動で通知された大まかな場所までは速やかに行動頂けていたのだと思います。
救急隊の皆様、本当にありがとうございましたm(_"_)m
今回は、息苦しさはありながらも、なんとか喋ることができたので必要とされる情報を伝えることができましたが、喋れないような状態だったら、どうなっていたのでしょう...。
(画像の引用元)男たちの大和
今のGPSをもとに位置情報を特定する方法では、マンションの号室まではわからないのが現状です。将来的に、自動車でつかおうとされている、V2x(車車間通信、路車間通信等)の応用として、S2x(スマホ対物、スマホ対建造物)のようなものができたら、今いる詳細な場所まで特定できるのかも知れません。
が、現状は夢物語。
今でもできることとして、メディカルIDに住所等を載せておく機能があればいいのになと感じます。その機能があれば、緊急通報時にあわせて情報をおくることで、喋ることが困難なときでも必要な情報の伝達がスムーズにいくのかなと考えます。
【この情報をかいてたらよかったな】薬の場所
激しい痛みおそわれた場合、自分で動ける際は、自分で服用することができますが、それすら困難な状態に陥ったときは、他の方の助けが必要な場合があります。
その際に必要となるのが、薬はどこにあるのか?
身内ならばいざしらず、第3者はその人の持病有無、薬の場所なんてわかりません。
もしもの際に備えて、「使用中の薬」の場所をメディカルIDに書いておくことで、回復が早まるかなと思います。
ということで、メディカルIDの「使用中の薬」欄に頓服の場所を追記しました。
ただ、こうした情報を書いていても残る課題が1つ。
緊急SOSのメディカルIDで設定した情報は、本人の端末でないと知ることができないという点。
もしも、僕が自分で頓服を飲めないレベルで倒れた場合、自分の薬の場所を伝えることができないという点...(;^ω^)💦
もしものときは、僕のiPhoneを操作して、
緊急SOS→ メディカルID→ 薬の場所を知る→ 財布をあさって薬を取り出す→
口にほうりこむ。
という手順を経る必要があります。
これは、現実的にはほぼ無理だな(;^ω^)💦
その時は、いさぎよく諦めようorz
【危険①】悪意ある第3者に、個人情報を盗まれる可能性がある
緊急SOS機能は、スマホのロック状態にかかわらず、SOSモードに移行できる機能です。
緊急SOSモードで表示される、「*メディカルID」をスワイプすることで、医療に必要な情報を知ることができる反面、その方にとって大切な方の個人情報(電話番号)が開示されてしまいます。
そのため、会社の飲み会等で、ロックをかけているから大丈夫だろうとiphoneをテーブルに置いたまま、席をはなれたりすると...。
緊急SOSモードからの、メディカルID(設定していたら)で個人情報が盗まれる可能性が考えられます。
また、その盗まれた情報をもとに、ストーカにつながる可能性もあるでしょう。
緊急SOSで自動で通知をおくるためには、設定しておきたい情報ですが、悪意ある行動を容認しないためにも、設定したあとは、電話番号がみえる必要はないと思います。
そのため、緊急SOSモードからの、緊急連絡先の電話番号は非表示となっている方が安全だと考えます。
【こうした使い方もできる】痴漢、恐喝、誘拐等の安全対策として
この緊急SOS機能は、自動通報モードにしておくことで、警報音と通報を自動で同時に行うことが可能です。
そのため、人災に対しても、活用の幅があるとおもいます。
①痴漢
②恐喝
③誘拐
等、恐ろしくて、助けを呼べないとき。
こうしたときに、緊急SOS機能を使うことで、自動で通報と警報をならすことができるため、安全対策の一環として使うことができるとおもわれます。
まとめ
僕は救急で搬送されてからも、2時間近く、息苦しさ、手足のしびれ、嘔吐に苦しめられましたが、医療スタッフの頑張りと、メディカルIDで必要事項を書いていたおかげで、スムーズな治療をうけることができ、
あってよかった、緊急SOS。
知っててよかった、緊急SOS。
設定しておいてよかった、緊急SOS。
を実感しています。
この記事では、緊急SOS機能と、実際につかったうえでの気になる点を紹介しましたが、どうだったでしょうか?
緊急SOS機能なんて、とっくに設定済だよ
なにをいまさら
という方が多く、この記事が埋もれていくならばむしろ願ったりです。
もしも、
この機能は知らなかった。
メディカルIDを設定していなかった。
という方がいらっしゃいましたら、いち早く設定しておくことをおススメします。
今は、スマホという便利ツールがあります。
その便利ツールを有効につかいましょう!
不測の事態に備えた準備の一環として、【緊急SOS機能】についての幅広い認知と必要事項の設定を一人でも多くの方にしていただきたいと思います。
おわり
今日もありがとうございましたm(_"_)m
それでは、また。
でつノ