まさか、自分がウツになるなんて!

43歳男性、会社員(SE)が、仮面うつと診断されるまでの経緯、治療方法、健康回復にむけてやっていることなどを紹介いたします。 自分はウツとは関係ないと思っている方に、是非読んでいただきたいです。

【苦悩=苦痛×抵抗】あなたの苦悩の原因は「苦痛」、「抵抗」のどちらですか?

こんにちは、仮面うつです。

 

通院しているクリニック主催のマインドフルネスグループで、教えてもらったことを紹介いたします。

それはズバリ、今日の題名である「苦悩=苦痛×抵抗」です。

 

 

マインドフルネスグループで教えてもらった事

マインドフルネス、皆さま、耳にしたことはあるでしょうか?

すでにご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、軽く説明しておきます。

 

▶うつ病とマインドフルネスについて

うつ状態またはうつ病になると、頭のなかが過去や将来のことにとらわれてしまいます。

過去の失敗への後悔、将来への取り越し苦労といったことについて、グルグルと同じことばかり考えてしまうという傾向がでてきます。

そのことを難しい言葉で、反芻思考(はんすうしこう)とよばれています。

 

過去の失敗を教訓にして、今後、同じ失敗をしないようにしよう。

将来、起きることをある程度予測して、あらかじめ手をうっておこう。

ということは勿論大切ですが、それが行き過ぎてしまい、「今、現在」のことについて視線が向かなくなってしまっている状態が問題なのです。

 

マインドフルネスは、過去や未来のことにとらわれている気持ちや考えを、「今、現在」に向けてあげよう、そうすることで過去や未来にとらわれている状態から解放してあげましょうというトレーニングなのです。

 

脳科学的に表現すると、左脳で分析したり、あれこれ考えたりしちゃってるのを少し休めて、右脳優位で今を大切にしてあげましょうということなのです。

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▶苦悩=苦痛×抵抗

グループワークでは、呼吸法や、ボディスキャン、ムーブメント瞑想、レーズンエクササイズ等といった実践をとおして、「今、現在」に意識を向けるトレーニングを行っています。

そして、そのトレーニングで感じたこと、気付いたこと、疑問点等を発表して、学びを深めていくということを行っています。

 

そこで、とある方が次の質問をなさいました。

自分は、仕事上で何のストレスも感じていない。家庭の問題もない、収入面での不安もない。

自分は多趣味な人間だが、近頃、趣味を楽しめなくなってきた。

楽しめない自分を紛らわすために、マインドフルネスで呼吸法に集中することで回避しているが、それでいいのか?

 

一見すると、身体症状なく、仕事や収入面の心配もなく、何の問題もなさそうな方が、悩みをかかえて通院してマインドフルネスを実践しているのです。

セラピストの方が出した答えは次のものでした。

直接的な回答にはなっていないかも知れませんが、「苦悩=苦痛×抵抗」で生じているといわれています。

苦悩は、悩みや気にしていること。

苦痛は、ストレス、不安、落ち込み、怒り、身体の反応(痛み、痒み)等。

抵抗は、こだわり、もがき、執着、回避です。

 

あーそうか、自分は「今まで楽しめていたことが、楽しめなくなった」ということが抵抗になって、苦悩になっていたということですか。

 

マインドフルネスは苦痛を下げてくれるものではありません(*1)。抵抗を小さくすることで、苦悩を減らしてあげましょうという取り組みなのです。

 

マインドフルネスを回避につかわず、抵抗を受け入れて、付き合っていくようにします。ありがとうございました。

 

(*1)苦痛とマインドフルネス

今回の質疑応答では、マインドフルネスは苦痛への効果はなしといわれましたが、

マインドフルネスの発端は、慢性疼痛への治療法としてはじまっています。

僕自身、胸痛や腰痛といった身体症状について、痛みと向き合うことで、不思議と痛みが軽減するような体験をしています。

それが苦痛が下がったのか、抵抗が下がったことで、痛みがマシに感じるようになったのかは?定かではありません(;^ω^)

 

自分なりに考えたこと

この質疑応答は、僕にとって新鮮でした。

質問された方とは、休憩時間等で、冗談をいいながら談笑している仲でしたので、まさか「楽しめない」なんて悩みをかかえていらっしゃるなんて思いもしませんでした。

 

僕の場合は、転職、転勤、引越しといった環境の変化にくわえて、「〇〇しなければならない」といった気負い、上司からの評価を気にする「心の先読み」が積み重なって、身体症状の発症から仮面うつと診断されて、休職に至りました。

ここの根底にあるのは、”評価を失いたくない”という「喪失」を恐れる気持ちでした。

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▶「楽しめない」ということも喪失体験にあたる

通院している方々も、僕と似たような経緯の方が多いのですが、仕事、家庭、収入の不安やストレスがなくても、「楽しめなくなった」ということで、苦しみを抱えている方もいらっしゃるんだという、新たな気づきを得ることができました。

 

質問された方は、中堅世代でしたが、そうか「老人性うつ」というのは、こういった

「以前、楽しめていたことが楽しめなくなった」

「仕事を退職してやりがいがなくなった」

という喪失体験から、うつ病を発症される方々なんだろうなということ。

 

「楽しめなくなった」や「やりがいを失う」ことと、「喪失」。

少し考えたらその通りなのかも知れませんが、改めてウツになる原因の1つが腑におちた質疑応答でした。

 

▶うつ病の治療法は、その方に合ったものを用いることが大事

うつ病の治療法として、大きく3点いわれています。

  1. 薬物療法
  2. 精神療法(カウンセリング、認知療法等)
  3. 環境調整(休養・部署変更等)

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僕の場合、「苦悩=苦痛×抵抗」の式にあてはめて考えてみました。

-苦痛を減らすもの

身体の痛み(胸痛、のどのつかえ、頭痛)、食欲不振、不眠症といった「苦痛」は、次のもので対処していきました。

①仕事を休む(3.環境調整)

②薬をのむ(1.薬物療法)

③セラピストに話を聞いてもらう(2.精神療法)

④セロトニンを意識して食べる(1.薬物療法の一種か)

⑤セロトニンを意識して行動する(1.薬物療法の一種か)

 (朝日を浴びる、朝の散歩、ストレッチ等)

 

今の薬や、セラピストのカウンセリングの効果は絶大でした。

上記①②③を3週間継続したあたりで症状は大きく改善しました。

身体の痛みは激減し、食欲も戻り、夜も眠れると。

ただ、なくなりきらない症状へ対処するために、①②③にくわえて、④⑤を実践するようにしていきました。

 

ー抵抗を減らすもの

 

目にみえて症状はおちついてきましたが、それで苦悩はなくなったのかというと、そう簡単ではありませんでした。

時折襲ってくる胸痛(程度は軽い)、収入面での不安、復職できるのかどうか?、復職できてもきちんとやっていけるのかといった不安は、なかなか無くならならず、スッキリしない日々を送っていました。

 

こういったモヤモヤ感、いつ襲ってくるかわからない身体症状、将来への不安といった、気がかりなことについては、次の4つで対処していきました。

①マインドフルネスの実践(毎日15~30分)

②書籍やVTRでうつ病の理解を深める

③認知療法

④集団認知行動療法

 

この4つを通して、

自分はスーパーマンではなく、普通の人間なんだ。

僕のような症状で苦しんでいる人は、他にも数多くいらっしゃる。

自分の考えは普通だとおもっていたけど、偏った考え方が多かった。

自分は頑張りが足りないとおもっていたけど、頑張りを認めてくれる方がいる。

同じことをグルグルを考え続けたって、仕方のないことだ。

今を大切にいきよう。

 

ということを意識するようにしていきました。

今、休職してから5ヶ月が経過しました。

いまでは、苦痛の症状はほとんどなくなりました。

悪天候の日にすこし、身体がダルくなる程度です(;^ω^)

抵抗としてのモヤモヤ感は、完全にはなくなっていませんが、以前ほどとらわれることはなくなってきています。

 

振り返ってみても、【苦悩=苦痛×抵抗】はほんとその通りだったな!

苦痛と抵抗を取り除く両方からのアプローチで、苦悩が小さくなってきています。

 

まとめ

今日は、マインドフルネスグループで教わった【苦悩=苦痛×抵抗】の紹介と、僕自身が取り組んだ治療法を振り返ることで、この式にあてはまっていることを実感することができました。

 

ここでは、うつ病の治療としての【苦悩=苦痛×抵抗】を書いてきましたが、うつ状態でない方、通常の生活をおくっている方々にとっても、応用して考えることはできるのではないかとおもっています。

 

今、うつ病で悩んでいる方、苦悩、苦痛で悩んでいる方々にとって参考になれば幸いです。

 

おわり

 

今日もありがとうございました。

それではまた。

でつノ