まさか、自分がウツになるなんて!

43歳男性、会社員(SE)が、仮面うつと診断されるまでの経緯、治療方法、健康回復にむけてやっていることなどを紹介いたします。 自分はウツとは関係ないと思っている方に、是非読んでいただきたいです。

うつ病になると「考え方に特徴がある」。仮面うつの自分は、その特徴に一致しすぎていて怖い。

今日は、うつ病の特徴についてです。

僕は、「仮面うつ」と診断されており、普通の「ウツ」とは違うと思ってたのですが、そんなことはない、まんま、うつの特徴がみられたんです。

一致しすぎて、苦笑いしちゃうくらいのレベルの一致でした。

f:id:kamenutsu:20180316210658g:plain

うつ病の特徴としてどんなものがあるのでしょうか?

そのことについて、紹介していきます。

 

 

うつ病の症状

一般的にうつ状態、うつ病(*1)になると次の症状がみられるようになるといわれています。

f:id:kamenutsu:20180316205351j:plain

(*1)うつ病:

うつ状態(上記症状)が2週間以上継続している、または、症状が酷く日常生活に支障がでるレベルのときにうつ病と診断される可能性があります。

 

▶うつ病の誤診の可能性ってないの?

精神症状から身体症状まで、症状が多岐にわたっていて、それらに該当していたとしても、それがうつ病なのか?それとも、別の病気なのか?判断が難しいですよね。

 

僕の場合、仮面うつの症状として、次のものがありました。

  • 胸の痛み
  • 喉のつかえ
  • 夜、眠れない
  • 食欲が落ちる

自分では精神症状はあまりないと思っていたので、うつ病とはおもわず、内科、総合病院等(循環器内科、呼吸器)をわたり歩いていました。

そして、内科や総合病院では、痛みを訴えている部分について問診、検査をしてくれますが、それらの部位に異常がなかったら、「問題ないですよ」の一言ですませられてしまいます。

 

こういった経験は皆さん、おありではないでしょうか?

それでは、これがうつ病の特徴だ!という明確なものはないのでしょうか?

 

うつ病の考え方の特徴

私たちは、自分の考え方は普通だと思っていませんか?

物事を客観的にみているつもりであっても、色眼鏡をかけてみてしまっていることはありませんか?

 

そういわれてみると、そうかもしれないけど、普通かそうじゃないのか?自覚するのって、難しいですよね。

 

数日前、『はじめての認知療法』という書籍をよんで勉強しました。

認知療法というのは、「できる範囲で客観的に物事をみつめて、日々の問題に対処できるようにしましょう」というものです。

 

▶否定的認知の三徴

書籍のなかで、うつ病特有の考え方として、否定的認知の三徴というものが紹介されていました。

「否定的認知の三徴」というのは、次の3つの特徴です。

  • 自分自身について悲観的になる
  • 周りの人々から嫌われていると悲観する。
  • 将来もよくなることはないと悲観する

という3つです。

f:id:kamenutsu:20180316212329j:plain

 (画像の引用元)「はじめての認知療法」P.19の挿絵より

▶3つすべてに当てはまっていた自分

昨年、仮面うつ症状が酷かったときは、これら3つの症状、すべて当てはまっていました(;^_^A

たとえば、

  1. 仕事で集中力が続かない、また理想と現実のギャップが大きすぎる。自分自身への失望【自分への悲観】
  2. こんな仕事能力では、会社や同僚に申し訳ない【自分への悲観】
  3. 交際相手の気持ちをくんだ行動がとれないことがある、人の気持ちがわからない冷たい人間だ【自分への悲観】
  4. 仕事で成果を出したいのに、真逆の結果になっている。きっと呆れられているだろう【周囲との関係についての悲観】
  5. 最近のデートがあまり楽しめていない。これでは、失望されているかもしれない【周囲との関係についての悲観】
  6. このままでは降格、またはクビになるかもしれない【将来への悲観】
  7. 交際相手を幸せにできる自信がない【将来への悲観】

こんな感じです。

 

▶否定的認知の三徴は客観的な内容だったのか?

では、上記の考え方は、客観的な内容だったのでしょうか?

順にみていきましょう。

■自分への悲観

1点目の理想と現実のギャップは、自分の力を過信していただけでしょう。

自分の実力を冷静に見極めて、自分にできることをやっていけばよかったのです。

 

2点目の会社や同僚に申し訳ないというのは、「使い物にならない」といわれたわけではなかったのです。むしろ、こんな身体症状がでていたら仕方ないと気にかけてくださっていたのです。その優しい言葉が耳にはいらず、自分が自分がになっていました。

 

3点目の冷たい人間だという悲観は、相手からいわれたわけではなかったです。これも自分のなかで勝手に高い理想をつくって、それに満たない自分を悲観していたのです。

 

■周囲の評価の悲観

4、5点目ともに、同僚や彼女から、「失望している」ということを言われたわけではなかったのです。勝手に取り越し苦労、被害妄想していたのです。

 

■将来への悲観

6,7点目も、会社や彼女と話しあったわけではなく、勝手に悲観していたのです。

このように、ほとんどは妄想による悲観のオンパレードだったのです。

 

ただ、当時は、その妄想を妄想とおもわずに、普通だと感じていたのでタチが悪いですね(;^ω^)

 

6つの後ろ向きスキーマにあてはまりすぎて怖い 

 また、書籍では、後ろ向きのスキーマを6つ紹介していました。

スキーマとは、その人なりの価値基準、こころの法則のことを「スキーマ」と呼びます。

①弱さ

「人に助けを求めるのは弱い人間だ」と考えることはありませんか?

ありました!

症状発症時、役職がついて仕事をしていたため、へんなプライド、上司からの評価を気にして、なんとかして自分でこなそうと躍起になっていました。

 

ここでは失うことを恐れていました。

人間関係のコミュニケーション、協力して物事を達成するという信頼関係が完全に欠如しています(;^ω^)

 

②完全主義

「成功しなけば人生をムダに過ごしたことになる」と考えることはありませんか?

考えていました!

自分では、完全主義に陥っている自覚はなかったのですが、ホームランまたは、ヒットを打って成果を出すことに躍起になっていました。

  • 成果がある→ 1日の達成感がある
  • 成果がない→「他の人から認められないと幸せになれない」と思っていませんか?

ここでも、①弱さと同じく、人間らしさを忘れて失敗を恐れる、恐怖があったのだと振り返っています。

 

ここでは、手の抜き加減が難しく感じていたのですが、集団認知行動療法グループで、「ヒットでも難易度は高いと思う、進塁打でバントでもいい」と考えてみたらどうですか?”というアドバイスを頂きました。

 

③社会的

「他の人から認められないと幸せになれない」と思っていませんか?

思っていました!

上記①の弱さに関係する職場の人間からの評価を求めていました。

また、上記②の成果があって幸せと考える、成果至上主義もありました。

さらに、交際相手とのデート中、彼女の挙動に一喜一憂する自分もいました。

当てはまりすぎるくらい当てはまっているのですが、当時は普通だと思ってました(;^_^A

 

④命令型

「〇〇でなくてはならない」、「〇〇しなくてはならない」と自分で自分に命令をしていませんか?

これは、現在もあります(;^_^A

仕事中は、「きちんと成果をださなくてはならない」。

交際では、「満足してもらえるデートにしなくてはならない」。

といった感じです。

 

現在では、復職にむけて「きちんとした生活習慣をおくらないといけない」といった感じです。自分では、復職への焦り、不安はそれほど感じていないつもりだったのですが、こういった命令形思考があるということは焦り、不安といったことの裏返しなのかも知れません。

 

また、毎日の楽しみの1つですが、「ブログ作成」がこれに該当する可能性もあります。書きたいネタが色々とあるのと、誰かに自分のおもいを伝えたいという思いで、毎日何かしらを書いていますが、ネタがなくなったときに、「書かなければならない」にならないように注意が必要です。

 

⑤自律的

「自分の考えは、他の何よりも大切なんだ」と考えることはありませんか?

うーん、書籍の言葉そのものでは該当しないかな。

ただ、自分を否定されたり、ダメ出しされたりすると、しばらくショックを受けるので、自分と相手はイーブンではなく、自分が優位にたっていたいという思いがあるのかもしれません。

 

⑥認知

「自分の考えと、気持ちの関係をどの程度認識していますか?」ということです。

 最後、ちょっと難しいです。

これのどこが後ろ向きなんだろうか?という感じです。

書籍で例がのっていましたが、よくわからなかったです。

これは、復職にむけて会社と主治医、自分の間で意見が食い違っていたときに、少なからずストレスをうけていました。

 

マインドフルネスで現状に気付いて受け入れるということを習っていても、認知療法で考え方に幅をもたせることでストレス対策するということを習っていたも、なかなか困難でした(;^ω^)

 

「柔軟性のある自分らしいスキーマ」をつくっていこう

6つの後ろ向きスキーマをみてきました。

そして、自分自身にあてはまっているのがとても多いことに愕然( ゚д゚)としました。

 

▶後ろ向きスキーマは長所の裏返し

後ろ向きスキーマにあてはまりすぎていて、軽いショックを受けていたのですが、書籍では、次のように書かれていました。

スキーマには、役に立つ部分と役に立たない部分とが必ずあります。

ですから、プラス面とマイナス面の両方を考えるようにしてください。 

 

おー、救いの言葉が!

後ろ向きスキーマのプラス面(長所)を考えてみました。

「①弱さ」は、”人に頼らずにやり遂げる根気がある”

「②完全主義」は、”時間を有効に使おうとしている”

「③社会的」は、”自立して、主体的に生きようとしている”

「④命令型」は、”規則正しく生きようとしている”

「⑤自律的」は、”自分を確立しているという自信”

「⑥認知」は、”「考える力」で人生をプラスにとらえることができる”(無理やり感があるかな?(苦笑))

になるんじゃないでしょうか。

 

▶「柔軟性のある自分らしいスキーマ」をつくっていくことが大事

書籍では、次のように書かれていました。

スキーマに挑戦する最終的な目的は、柔軟性のある自分らしいスキーマを作り出すことにあります。 

 

ということは、後ろ向きなスキーマであっても、前向きなスキーマであっても、どちらかに極端にふれていたら、よりよい人生を送るのにしんどいですよ。

ということを教えてくれているのでしょう。

例えるなら、斜めに生えちゃっている植物みたいなものでしょうか。

f:id:kamenutsu:20180316230136j:plain

(画像の引用元)生野・神河への二日間の旅-1 : 火(ホ)と「ニワ」と鍋釜

 

まとめ

うつ状態(病)になると精神・身体症状以外で、みられる「考え方の特徴」を紹介しました。

  • 否定的認知の三徴(自分、周囲、将来への悲観)
  • 6つの後ろ向きスキーマ
  • スキーマには良い面と悪い面の両方がある
  • 自分らしいスキーマをつくることが大事

 

自分自身、後ろ向きスキーマに気付いたところで、柔軟性のあるスキーマづくりはこれからとりくんでいくところです。

自分のなかで、これだ!というスキーマができたら紹介しようとも思いますが、おそらくこのスキーマづくりは一生をかけて取り組んでいくものなんだろうなとも感じています。

 

最後に

最後に老婆心ながら蛇足を。

▶悲観的に考えるのは、病気(うつ病)のせい

こういった悲観的に考えてしまうのは、本人がワザとやっていることではないのです。

病気(うつ病)のせいで、そういう風になってしまっているので、「こんなふうに考えてしまう自分はダメなんだ」と考えないようにしてください。

 

▶助言よりも認めてあげる態度を

また、周りの方は善意で、「後ろ向きに考えるのはダメなんだよ、考え方をかえないとダメだよ」と助言されること、助言したいこともあるかも知れません。

しかし、そのアドバイスが本人にとってはプレッシャーになることがあります。

 

対応がむずかしいところだとは思いますが、悲観まみれになっている方を認めて、希望をもたせるような接し方をして頂きたいと思います。

自分自身、根拠のない「大丈夫だよ」という言葉に救われた一人でもあります。

 

 

気が付いたら、いつも以上の長文になっていました(;^_^A

ネガティブで後ろ向きな内容満載の記事でしたが、うつ病の予防や、うつ状態の早期発見、改善の手掛かりにしていただければ、とても嬉しく感じます。

 

おわり。

 

今日もありがとうございました。

それでは、また。

でつノ