僕はアボカドが好きだ。
自宅でも肉味噌アボカドをつくってみたり、外食でアボカドを使用したメニューがあれば、つい頼んでしまう。
最近、うつ病を患っている自分にとって、驚くべきことを耳にした。
それは、うつ病にアボカドは良くないというのだ。これが本当なのかどうか調べてみると、うつ病に良いとする見解と悪いとされる見解の両方がネット上にあるではないか。
なぜ見解がまっぷたつに分かれることとなっているのか?そして、実際に被験者として、食べている自分として体調の変化がでているのか?それを紹介したいと思う。
うつ病にアボカドが逆効果とされる見解
薬剤師の吉澤恵理先生によると、【アボカド×抗うつ薬】の組み合わせによって、①血圧上昇②頭痛を引き起こすとのこと。
なぜ、血圧上昇や頭痛といった副作用を引き起こすのだろうか?
その詳しい理由までは記載されておらず、モヤモヤ感だけが残ってしまう。
起因する理由について、アボカドの成分等を調べてみると、アボカドに含まれている【チラミン】という成分が、ノルアドレナリンの出をよくする結果、血圧上昇や片頭痛、心拍数の上昇を引き起こす作用があるとされている。
しかし、片頭痛について調べてみると、
アメリカ頭痛財団はチラミンの理論に基づいた誘因物質の具体的なリストを出しているが[34]、ある2003年の批評記事は「チラミンが片頭痛に何らかの影響を与えるという科学的証拠は一切ない」と結論づけている[35]。
とされており、チラミンが原因ではないとしている。
もし、チラミンがうつに逆効果なのだとすると、アボカドよりも、チーズをはじめとする他の食品の方が大量のチラミンが含まれており、他の食品の方がうつ病にとっては危険だということになってしまう。
飲食物名 | 含有量 | 飲食物名 | 含有量 |
チェダーチーズ(長期間醗酵) | 153.0 | ニシンの塩漬 | 47.0 |
チェダーチーズ(中期間醗酵品) | 19.2 | ニシンの塩漬 | ND-47.0 |
チェダーチーズ(短期間醗酵品) | 12.0 | ニシンの塩漬の漬け 汁 | 1.51 |
プロセスチーズ | 2.6 | ホウボウ類の卵 | 0.44 |
ゴーダチーズ | 2.0 | 牛の肉汁 | 0.0858 |
ブルーチーズ | 9.3-25.6 | 鶏の肉汁 | 0.046 |
ロマノチーズ | 23.8 | 肉エキス(3銘柄) | 9.5-30.4 |
ポー・デュ・サン リュチーズ | 111.6 | サラミ | 18.8 |
スチルトン・ブルー チーズ | 217.0 | ドライソーセージ | 12.5 |
パルメザンチーズ | 0.4-29.0 | 鶏肝臓(5日目) | 5.1 |
ビール(4銘柄) | 0.65-1.12 | 鶏肝臓(1日目) | ND-0.5 |
ビール(4銘柄) | 0.145-0.452 | ソーセージ(経日) | 2.9 |
ワイン(赤・白各2 品目) | ND-0.06 | コンビーフ | 1.1 |
ワイン(赤6銘柄) | 0.035-0.441 | スモークソーセージ | 0.1 |
ワイン(白3銘柄) | 0.039-0.279 | バナナの皮 | 5.17-6.5 |
パインジュース | 0.04 | バナナの果肉 | ND-0.7 |
キャベツの塩漬 | 5.547 | アボガド | ND-2.3 |
醤油 | 0.176 | イチジク | ND |
濃口醤油 | 35.6(平均) | 米味噌 | 19.4(平均) |
淡口醤油 | 24.0(平均) | 麦味噌 | 14.6 |
牛(新鮮肝臓) | 0.54 | 豆味噌 | 9.3 |
牛(経日保存肝臓) | 27.4 | 鶏(新鮮肝臓) | 0.05 |
鶏(経日保存肝臓) | 10.0 |
[015.4.TYR: 2003.10.27.古泉秀夫]
うつ病にアボガドが効果的とされる見解
うつ病はセロトニンの不足で発症するといわれている。
食事では、セロトニンを生成する原料である、トリプトファンを多く含んだ食材をとると良いといわれており、果物のなかでは、バナナを毎日食べるとよいといわれているが、実は、アボカドが一番含有量が多いのだ。
果実類(トリプトファンを多く含む食品)
食品名 含有量
(mg/100g)可食部
(1食・参考値)可食部あたりの
含有量(参考値)キウイフルーツ 14mg 85g 12mg アボカド 33mg 110g 36mg バナナ 10mg 110g 11mg
また、オーストラリア、ディーキン大学のフェリス・ジャッカ氏による、下記①②のグループによる食事療法を12週間にわたり実験した結果、②のグループにおいて、有意な改善が32%みられたとのこと。
①高加工食品を食べるグループ
②地中海料理を食べるグループ
実験結果より、魚・アボカド・ナッツ類が効果的ということ。
また、うつ病の改善のみでなく、気分の改善、健康維持にとっても、地中海地方の料理が効果的とされている。
以前、「脳疲労とうつ」に効果的な食事について、ブログ記事にまとめています。
あわせて参照頂ければと思います。
実際に食べたみた結果は?
アボカドがうつ病に効果的なのか?逆効果なのか?立証すべく、連日(2018年1月2日、1月3日)ランチで、えびアボカドのサンドイッチを食べている。
いや、立証すべくというのは格好をつけた。
関西弁で書けば、「ええかっこうしい」ということだ。
実際には、自分が食べたくて食べただけである。
えびのぷりぷり感とアボカドそして、トッピングの野菜の相性がバツグンでとても美味しいのだ。そして、問題はアボカドを食べたあとの体調の変化だが、いたって問題ない。
懸念されている血圧の上昇、頭痛ともに発生しておらず、むしろ、アボガドを食べていない日に比べて、身体が軽やかで気分が良いぐらいだ。
まとめ(食べ方の注意)
アボカドがうつ病に逆効果、効果的の見解をみてきたわけだが、アボカドはうつに効果的であるが2日間の体験結果である。
うつに逆効果という意見については、身体によいとされている食品、わるいとされている食品だからといって、そのどちらにも偏ることなくそれらの根拠を知ったうえで食べることが大事だということを気付かせてくれた。
また、食べる量においても、食べ過ぎ、食べなさすぎは逆効果がでてしまう可能性があることを示してくれているのだ。と受け取ることとした。
薬剤師の吉澤恵理先生、調べるきっかけとなりました。
貴重な情報ありがとうございます。
正月はおせち、お餅、お酒と飲食する機会が多い時期のため、暴飲暴食に注意して、寒い冬を乗り切りたいと思う2018年の冬でした。