今日は昔話(3ヶ月前)です。
仮面うつと診断され、メンタルクリニックに通院をはじめて、数週間経過しても、不定期で胸痛、頭痛、のどのつかえに悩まされていました。
また、服薬を開始してからは、上記症状に加えて便秘にも悩まされていたのです。
通院時に症状を訴えたのですが、そのときに主治医とセラピストから言われた言葉が、ほぼ症状に悩まされなくなった今をつくるキッカケになったと思っています。
今日は、その言葉と自分の取り組みを紹介いたします。
小さいことを気にしすぎて「不安」が強いんだね
主治医との診察時に、身体症状を訴えたときに言われた言葉です。
僕としては、くわしく症状を伝えることで処方箋を改善してもらえたらいいな、というつもりだったのですが、自分の性格傾向のことを指摘されたのです。
▼不安は、あっても当然だろう?
たしかに、不安があることは自覚していました。
こんな病気になって、仕事を休職することになって、ベッドで横になっていても、
この病気は治るのか?
生活資金は足りるのか?
交際相手との交際はこのままでいいのか?
交際相手にとって負担をかけているだけではないのか?
将来、結婚はできるのか?
将来、ローンは組めるのか?
といった数々の不安が去来していました。
その上、身体症状がなくなっておらず、さらに便秘という新しい症状まででてきたので、不安があるのは仕方がないだろうと、自分を肯定していたのです。
しかし、主治医は、「こんな小さいこと」という。
これにはビックリしました( ゚Д゚)
頭のなかは、
「あれ、なんでこんなことを言われないといけないんだ」
「症状があるから、通院しているんじゃないか」
という感じで、頭は軽いパニック状態です。
マインドフルネスをやっていても、何もわかってないじゃない
上記、言葉につづいて言われたのが、この言葉です。
当時、クリニック主催のマインドフルネスグループには参加していなかったのですが、独学でマインドフルネスをやっていることは伝えていました。
▼マインドフルネスにダメだしされた
自分が取り組んでいる、マインドフルネスについてもダメ出しされた気分で、頭のなかはさらに混乱します。
たしかにマインドフルネスは、毎日やっていましたが、身体症状がでていないときに限って行っており、身体が辛いときは、「今は、マインドフルネスはできない」とおもって、ベッドで安静するようにしていたのです。
え、これがいけないの?
じゃあ、どうしろと言うの?
この疑問については答えてくれず、詳しくはセラピストから聞いてください。
ということで診察はおわりました。
痛みに対して、逃げずに向き合ってください
セラピストとの面談で、いわれた言葉です。
「身体症状がでたときは、どうやって対処していますか?」
と聞かれて、次のように答えています。
①身体症状をがまんすれば、するほど痛みがひどくなるので、早めに頓服を服用している。(胸痛時はニトロペン舌下錠、頭痛時はロキソニン)
②服薬後は、身体症状に”気づかないフリ”をして、TV、ゲーム、寝る等で対処している。
ここのポイントは、赤字の部分です。
当時は、これが自分にとってのベターな対策だったのですが、実はこの「気づかないフリ」に対して、次のようにアドバイスされました。
【アドバイス】
- 痛みなど「今、ここ」で生じていることを観察するクセをつける
- 胸痛前後、感情、身体反応、行動のパターンについて観察する習慣をつける
- ネガティブな考えも、湧き水のように淀みなく出続けてしまうものであることを体験するようなトレーニングを行う。
▼向き合ったら、余計辛くなるんじゃないの?
この時は、身体症状はでていなかったのですが、痛みを観察したって、辛いままじゃない?むしろ、痛みを観察して、症状が酷くなったらどうしてくれるんだ(怒)くらいで、頭のなかのパニック状態はおさまるどころか、むしろ余計、悪化したような感じでした。
不安な感情、身体症状と向き合ってみた
通院した日は、終日、頭のパニックがおさまらず、身体はけだるく、食欲はほとんどなく、帰宅するなり、ベッドで過ごして1日が終わっています。
抱えている感情(不安)、身体症状について「こんな小さいこと」と言われ、
取り組んでいるマインドフルネスについてもダメ出しをされたのです。
その上、マインドフルネスのアドバイスも納得がいっていない。
今から振り返っても、そうなったのは仕方がないでしょう、という感じです。
▼「焦り」と「効果」を期待している自分に気付く
通院から3日後、マインドフルネスを実践する目的が間違えていたことに気付きました。
それは、”今、ここ”に気付くことをマインドフルネスの目的としておらず、その副産物として得ることができる、「体調の改善」、「気分の改善」、「日々の充実」を目的としていたのです。
そのため、この副産物を体験できた日は、マインドフルネスがうまくできた日。
そうじゃない日は、マインドフルネスがうまくできなかった日という風に捉えていたのです。
この目的と副産物を逆転してとらえていたことに気付いてからは、
今の休職、体調不良の今を受け入れて、”今、ここ、自分”を大切に生きていこうと考えたのです。
▼「痛み」という言葉をつかわずに、症状を観察した
痛い、苦しい、しんどい、だるい。
そういった経験はみなさん、何度もされていると思います。
そして、その言葉を一旦、口にだしてしまうと、それらの症状がより強くなったりしないでしょうか?
ここでは、身体症状がでたときに症状と向き合うときのコツの話しです。
-悪いパターン(真似したらダメ)
上記診察でダメ出しをされるまでの僕は、胸痛が起きたときの思考回路は次のようになっていました。
症状の発生 → 痛い → 服薬 → 痛いのなくなれと願う → 気づかないフリ
です。
この場合、気づかないフリをしていても、胸痛がなくなっていないと、さらに痛みが強く感じ、その痛みの程度が酷くなると頭痛、のどのつかえといった別の症状も併発されていました。
症状のひどいときは、頓服が効かず、症状が4~12時間程度つづくことも度々あり、苦しめられていました。
-改善したやり方
これをダメ出しと、マインドフルネスの目的を取り違えていたことに気付いてからは、次のように捉えるようにしました。
症状の発生
↓
どこがどんなふうな状態なの?
↓
右胸の端っこのほうに、細いもので突き刺されたような感じ
↓
突き刺された場所は骨なの?内臓なの?
↓
うーんと、肋骨の端なので骨かな
↓
それは命や生活に影響でそうな感じ?
↓
どうだろわからない
↓
症状はずっと続いている?
↓
あれ、なんだかマシになってきたような気がする
↓
じゃあ大丈夫だね
違いはわかりますか?
ポイントは、「痛い」という言葉をつかわずに、観察するようにしたことです。
この言葉をつかわないように意識するだけで、意外と程度が楽なように感じ、また、痛み自体がそれ以上にひどくなることなく、すんなりと消えていくことが多かったのです。
それは、たまたま痛みの程度が低いものに襲われていたのか?
それとも、状態と向き合うことで症状が楽になっていたのかは、当時はわかりませんでした。
まぁ、どっちでも良いよね、楽になったんだから。
-身体症状、不安が減っていった
そして、こういう風に向き合うようにしてから、身体症状の頻度は日に日に、減ってきています。
そして、不思議なことに、頭痛持ちでもあり、月に数回は襲われていたのですが、この取り組みをはじめてからは、頭痛に悩まされることも激減しています。
なくなってはいないですけどね(苦笑)
また、気が付いたら、将来への不安も軽減していることに気がついたのです。
将来の不安ももちろんあり、それにむけて色々と考えてはいますが、「将来のことを取り越し苦労しても仕方ないしね、なんとかなるよね」と思えるようになってきています。
直近では、先週会社から、休職満了連絡をうけたときに、久しぶりに軽い胸痛、復職への不安を経験しましたが、おなじように向き合うことで、胸痛はすぐになくなりました。復職への不安は多少残っていますが、それも会社の考えをあれこれ考えたって仕方ないよねと受け入れることで酷くならずにすんでいます。
最後に
今日は、昔話と、身体症状にはマインドフルネスが効果的だったという話をしました。
主治医に、性格傾向をわしづかみにされてまな板にだされたことと、マインドフルネスについてダメ出しをされたこと、この2つが荒治療ながら、服薬以上の効果をもたらしてくれたのです。
当時は、やぶ医者かと思いましたが、今となっては感謝の一言です。
◆マインドフルネスは慢性疼痛の緩和のために開発された
マインドフルネスは、逆輸入の禅ともいわれており、瞑想的な側面、集中力のアップ、仕事能力の向上等の仕事面への効果が宣伝されることが多いですが、そもそも、マインドフルネスは、慢性疼痛への効果を期待して開発されたのがはじまりとされています。
先日、読んだ書籍に書かれていました。
主治医やセラピストはそのことを知っていたのでしょう。
そのため、マインドフルネスへのダメ出しをしてきたのだと思います。
贅沢をいえば、あんなダメ出しではなくて、「慢性疼痛とマインドフルネスについて調べてみたら良いよ」という優しいアドバイスの方がよかった(;^_^A
◆無理のない範囲で自分と向き合ってみませんか?
もし、現在、服薬していても身体症状からなかなか解放されないで苦しんでいる方は、一度、マインドフルネス的に自分の症状と向き合ってみてはどうでしょうか?
やるまでは勇気がいります。
向き合うことでこれ以上苦しくなったらと思うと怖いです。
それが当たり前だと思います。
不安を感じている自分に気付く、それ自体も立派なマインドフルネスなのです。
その不安をかかえている自分、身体症状で苦しんでいる自分に、すこしずつ向き合ってみませんか?
僕も日々、その道を歩んでいます。
おわり。
今日もありがとうございました。
それでは、また。
でつノ