2017年12月15日(金曜日)
クリニックのグループワークで食べるマインドフルネス(レーズンエクササイズ)を行ってきた。
みなさん、毎日の食事をするとき、食事に集中できていますか?
ぼくは恥ずかしながら、全然集中できていないです!
テレビをみながら、スマホをさわりながら、食事以外のことを考えながらと、「ながら作業」をしながら食事をしているため、味は感じてはいても、こまかい風味や香り、色合い、触感等には無頓着な食事をしています。
みなさんも、そのような食事をしているならば、このエクササイズはおすすめです。
日頃食べている食事の美味しさを再発見でき、食事後はいつも以上に満足・満腹している自分に驚かれると思います!
■レーズンエクササイズとは?
食べるマインドフルネス(レーズンエクササイズ)は、食事をとおして雑念をとりはらうエクササイズです。
やり方は、1回の食事に対して、視覚(かたち、色合い)、聴覚(たたいた音、触れた音)、嗅覚(におい)、触感(手のひらに触れている感覚、かたさ)、味覚(舌触り、舐めた味、噛んだ味)、身体の感覚(歯ごたえ、身体のなかを通っていく感覚)、感情(どのような気持ちで食事をしているのか)と六感すべてを意識して、食事に集中することがポイントです。
1.レーズンを1粒用意する。苦手な場合、ない場合は小さくて香りや味がして表面に凹凸があるようなもの(粒チョコ、小さめの梅干しなど)で代用してもOK
2.親指と人さし指で挟み、押したり、見る角度を変えたりして、弾力や表面の形、色、光の反射具合、凹凸などをよく観察する
3.手のひらに置いて、転がすなどして動きや表面の様子などを観察する
4.親指と人さし指で挟み、ゆっくりと鼻に近づけながら、匂いの性質や強さなどを観察する。その後、ゆっくりと鼻から離しながら同じように観察する
5.ゆっくりと口に含む。噛まずに舌の上で転がす。表面の状態、風味などを観察する
6.ゆっくりと噛み、味や風味の広がりを観察する、噛みながらそれらの変化を観察する
7.ゆっくりとのみ込む。のどの奥から食道、胃へと移動していくことを感じるレーズンエクササイズって何? うつ病の心理療法「マインドフルネス」 (3/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
■体験談
講師の方より、レーズンとはっきり記載された袋より、参加者一人一人にレーズンが1粒ずつ渡されていくが、「これははじめて見るものとして考えてください」とアナウンスがあり、ぼくを含めて参加者のなかに苦笑が生じる。
エクササイズを堪能するために、はじめてレーズンを見た赤子のような気持ちで、手の平のうえにおいた物体をみていくことにした。
みためは、黒色にみえるが、光があたっているところは濃い紫色をしており、黒色ではないことを知る。形はいびつなラグビーボールのような形で、凹凸がそこらじゅうにある。見た目だけでは、とても食べ物には思えない。
指でおしたり、つまんだりしてみると、表面はやわらかく、中心付近はすこし弾力があることがわかる。
耳に近づけても、音はしておらず、たたいても反応がないので、生き物ではないようだ。
鼻に近づけてみると、ほんのり甘酸っぱい臭いがしており、食べ物ではないかと感じる。
口のなかにいれて、舌のうえで転がすと、自己主張がひかえめなやさしい味わいが口のなかに広がった。つぎに、歯でかるく噛んでみると、表面の柔らかいところがつぶれて口のなかの味わいが強くなってくる。最後につよく噛んでみると、甘酸っぱい感じが口のなかに広がっていく。
次第に細かく溶けていったものが喉にはいってくるのだが、喉を甘酸っぱいものがとおるとき、通り抜けたあとも、口のなかには余韻のようなものが残っていて、まるで高級スイーツをたべたような満足感、幸せな感じがしたため不思議だ。
またその食事中は、頭のなかに雑念等、他の考え事がはいってくる隙間はあまりなく、雑念がでないことによる幸福感を得ることができた。
この体験をきっかけにして、今後の食事でも同様のエクササイズを心がけようと思ったのだが、グループワーク以降の食事では、今まで通りの食事となっており、まだまだ精進が必要である。
グループワークの他参加者のコメントも少し紹介しておく。
・命をつなぐ食事から、食事を楽しめる食事ができた。
・味わってたべることで幸せな感じを得ることができた。
・幸せを感じるエクササイズだった。
・味覚に集中できた。
・少量で満腹感を感じたのでダイエット効果が期待できる。
・口のなかでも、前歯・奥歯・舌の上下で感覚が違うことに驚いた。
等々、参加者のみなさんも効果を感じることができていたようです。